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ポインセチアはクリスマスの光


結構最近のことだと知って驚いたことだが、ポインセチアがクリスマスの植物として取り上げられたのは、1828年のことなのだそうだ。

アメリカの初代メキシコ公使(大使の一段階下、特命全権公使ともいう)であったジョエル・ポインセットという人が赴任先のメキシコで真っ赤な葉っぱの植物を発見し、アメリカに持ち帰ったところ、人気爆発でクリスマスの花になってしまったのだそう。その花が、彼の名前にちなんでポインセチアと名付けられたとのこと。

ポインセチアは非常に光に敏感で、日照時間が短くなる秋分以降の数十日間、昼に日光に当てて、夜は覆いをかけて完全に真っ暗にしてあげると、赤く変色するんだそうだ。この緑と赤の入り混じったクリスマスカラーは、日の光の加減で作り出されるというところも、クリスマスらしいなと思う。

このポインセチアにはこういう伝説がある。

あるクリスマスの日に、貧しい一人の少年が教会に持ち寄るイエス様への捧げものがなくて、道端の草を摘んで持っていった。人々はそれを見て笑ったのだが、少年が祭壇に捧げると、見る見るうちに草が深紅に染まって、燃えるような花になった……という話だ。

ヨハネ福音書はイエス・キリストのことを「人間を照らす光」だと表現した。伝説にも語られているように、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスの日にさえ、貧しい人の捧げものを笑うような心が人間の中にはある。キリストという光は、そのような人を嘲り蔑む心(キリスト教ではこれを「罪」と表現する)を、浮かび上がらせる光なのかもしれない。

しかし神様は、そのような罪を持つ人間のために、イエス・キリストをこの世に生まれさせた、と聖書は語る。神は私たちの心のどうしようもない部分を照らし出すが、それは私達をただ糾弾し裁くためではない。人々が自分自身の罪を見つめるように、そしてそのような心によって傷つく人がいなくなるようにと願ってイエス・キリストを送り、人々の間でそのような神の考え(神の御心)を語らせたのだ。

キリストは人間を照らす光だ。それは私達自身を振り返らせる光であるとともに、私達が誰かに優しくするための心を持つための、希望と愛に満ちた光でもあるのだ。ポインセチアの鮮やかな赤色を見る時、私たちは振り返りたい。

今年、誰かを傷つけてしまったことはなかったか。傷つけた人との和解をちゃんと出来ているだろうか。自分が愛する人に、ちゃんとその思いを伝えられているだろうか。

年の暮れ、1年の総決算の時がやってくる。私たちが関わり合う人々との関係においても、悔いと未練を残して来年へと踏み出すことがないようにしたいものだ。