SNSを見ていたら「TO:NORTH」というゲームが紹介されていた。一気にクリアして涙が止まらなくなったので紹介したい。
「十字キーで移動する」という、本来ゲームにおいて何の疑問も抱かない操作を、これほどまでにゲーム体験に結びつけたゲームはあっただろうかと思う。
主人公は南に進むことはできない。ただ「北へ向かおう!」と進み続けようとする。北の果てにある、願いを叶える「ポラリス」を目指して。
なぜ彼は北を目指すのか?彼はポラリスに何を願おうとしたのか?なぜ彼は、「南」に進めないのか?
プレイ自体はすんなり行けば15分程度で終わる短い物語だ(自分は30分くらいかかった気がする)。何を書いてもネタバレになってしまうのでとにかく自分でプレイしてくれ!としか言えないのだが、この短い物語が、プレイヤー自身の「十字キーを操作する」体験と深く結びついて、ラストに辿り着いた時には、タイトルの意味を知って涙が止まらなくなった。
このゲームを開発した「密輸水産」のロゴの横に、「つらく しんどく 美しく」というキャッチフレーズがあしらわれている。そのとおり、このゲームはつらい。ある人にとっては自分自身の経験に重なることもあるかもしれない。プレイするページにもあるように、人の死を想起させるシーンが含まれている。
それでもこのゲームは、プレイした人に時間以上の奥深い体験を与えてくれるものだった。
このゲームは、ブラウザ上でプレイが出来る。自分はスマホのブラウザでプレイしたが、Windows版と、ゲームボーイエミュレータ用のゲームromがダウンロード出来るようになっている。
あまりにも素晴らしかったので、クリア後に寄付と共にダウンロードさせてもらった。また忘れた頃にもう一度やり直したい。
是非あなたもプレイしてみてほしい。