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ナイチンゲールに背を押されて


わたしたちが労苦し、奮闘するのは、すべての人、特に信じる人々の救い主である生ける神に希望を置いているからです。

──テモテへの手紙 一 4:10

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「オペラ座の怪人」や「ライオンキング」を素晴らしいミュージカルとして公演した劇団四季が、『ゴースト&レディ』という新作を公演しています。

この『ゴーストアンドレディ』という作品は、元々漫画が原作で、その主人公はナイチンゲールをモチーフにしたキャラクターとなっています。
最近私もこの漫画を読んで感動してボロボロ泣いたので、皆さんにもぜひおすすめしたい作品なのですが、今日は実際にナイチンゲールが語った言葉に耳を傾けたいと思い、紹介します。

ナイチンゲールが生きていた当時、看護師という職業は、今でいう医療的な役割を期待されていませんでした。
良くて病院における雑用事務を任される人々でした。定められた規律もなく、仕事中に飲酒をしたりする者も多かったそうです。
そのようなわけで、ナイチンゲールが看護師という誰からも尊敬されていない職業に就くことを、彼女の両親が大反対することから、彼女の試練は始まっていったわけです。
それだけでなく、実際に行った病院の衛生環境は最悪で、けがをして運ばれてきた人にまともな治療を施すことも難しい状況でした。

そこでナイチンゲールはあらゆる努力をもって、現在のように衛生環境を整え、無駄遣いをしていた病院経営を改善し、看護師たちを奮い立たせて、現在の看護、また看護師の基本とされることを、その身をもって示し、実際に整えていきました。
その決してくじけぬ姿、苦しむ人のためにどこまででも全力を尽くし、そして今や偉業とも見られる多くのことを成し遂げていった彼女の姿は、今なお私たちの心をうつものだと思います。

そのナイチンゲールが残した言葉を一つ、紹介したいと思います。こういう言葉です。
「価値ある事業は、ささやかな、人知れぬ出発、地道な労苦、向上を目指す無言の、地道な苦闘といった風土のうちで、真に発展し、開花する。」

この言葉は、看護に限らず、すべてのことに置き換えることが出来る言葉だと思います。わたしたちにとっては、勉強や仕事のスキル、それぞれ一芸に秀でた賜物をいっそう極めていくための道しるべとして、響いてくるのではないでしょうか。
誰の目にも目立って見えない、ましてや周囲から反対されることさえあるような「地道な労苦、向上を目指す無言の、地道な苦闘」を、私たちがコツコツと続けていくこと。
その先にこそ、その努力はきっと、思いもかけない形で実を結ぶものであると、ナイチンゲールの言葉は、私たちを励ましてくれると思います。

もうひとつ、彼女が看護の仕事に一生涯を費やすことについて質問されたときに答えた言葉を紹介して、締めくくりとしたいと思います。

「もし、そのような生き方が自分の示された生き方だ、自分の天職だと感じるのであれば、その心のひらめきに従って行動します。他者の幸いのために自分の義務を行っていく限り、決してそれは間違っていないということが分かってくるでしょう。たとえ、どんな道に導かれようとも、選んだ道をひたすら進みなさい。そうすれば神はあなたと共にあるでしょう」