kyrie.

Christian,Bible,Games,and Diary.

「PARSLEY」


お気に入りのマンガは何ですか ?

ある日生徒に「先生の好きなアーティストは?」と問われて、はて、最近は音楽も漫画も全然触れないで過ごしていたな、と思い返すことがあった。

暇があれば仕事に役に立ちそうな(あるいは先々の仕事でいつかは読まなければならない)本を読んだりとか、Podcastを聞いたりだとか、休み時間にさえ仕事に関わるものばかりに触れていた気がする。
そういえばそれであまりにも自分の心がすり減っているように感じたので、先日SNSでシェアされていた読み切り漫画を読んだのだった。

『東京喰種(トーキョーグール)』を描いた石田スイ氏が、『ジャックジャンヌ』というゲームの原作・キャラデザ・シナリオを担当している。
その作品のサイドストーリーを読み切り漫画で配信してくれていて、本来はゲームをしてから読むともっといいのかもしれないけれど、前提知識は簡単に漫画の冒頭で書いてくれていたのでスッと読めた。

タイトルは「PARSLEY」

自分で自分の可能性を否定してしまうことの恐ろしさ、そして「誰かか自分のことを見てくれている」という他からの視線が突破口になる、というストーリーだった。
個人的にはすごく共感を呼び起こすストーリーで、彼らがゲーム本編ではどういうキャラクターになっているのか気になる話だった。

人がいかに他者からの視点と関わりの中に生かされているかを教えられる気がするし、ひとりではない、ということへの慰めと共感は誰しもが求めているものだと思う。

この漫画が自分の心に刺さったのって、もしかしたら自分も他者との関わりから少し離れて、自分のことばかりに閉じこもっていたのかもな、と思う。

最近は特に『七つの習慣』という本を仕事で読んでいて、それをキリスト教的な立場から読み解く、ということを来年にむけて準備している。
この本の中に「緊急・重要マトリクス」という考え方が出てくる。
まず十字を書いて、左上から①、右上が②、左下が③、右下が④、と数字を振る。
①は「緊急で、かつ重要なこと」、②は「緊急ではないが重要なこと」、③は「緊急だが重要ではないこと」、④は「緊急でも重要でもないこと」を書いていく、というものだ。

これを振り分けると、一体何から手を付けていけばいいのか、という優先順位を割り振っていくことができる。
時間がない、と思うとき、だいたいは③や②を①に振り分けて先に手を付けていることが多かったり、ダラダラとスマホを見て時間を浪費する、というのは完全に④にあたる。
こうして自分がなりたい自分に少しでも近づいていくためにする、という習慣が紹介されていて、仕事をするときにも心に留めている。

でも、これを教えるPodcastを聞いていて、「④をゼロにすることは、必ずしもいいことではない」という話があった。
もちろん①(今すぐ、必ずやらなければならないこと)や②(今すぐではないが、なりたい自分になるためにはいつかやらなければならないこと)は大事なことだけど、そればかりに目を向けていると、かなりストイックな生活になってしまう。
息抜きがない、という生活だ。そして最近は、結構そんな感じの毎日になっていたな、と思う。

こうして日記を書くことも、本来は緊急でも重要でもない。今やるべきことでもないし、やったからといって何か仕事とかに寄与されるものでもない。
でも、そうやって①と②の領域にばかり目を向けていることで、心がすり減ったり、他者との関わりが減って、自分の中に閉じこもっていることに気付いたときには、それを解放するために、自分には必要なこととしてあがってくるのかな、と思った。

そういうわけで久しぶりにデイリープロンプトを開いてみたら、素朴な問いかけがなされていたので日記代わりに書くことにしたんだけれど、なかなかいいリフレッシュになった。
緊急でも重要でもない、なんでもないことも、私たちの人生にはきっと必要だ。