イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたは皆わたしにつまずく」
──マルコによる福音書14:27a
年度末を迎えています。仕事では今年度の締めくくりと、次年度への準備でバタバタと忙しい時期です。
この時期に振り返ってみると、あっという間に過ぎ去った一年だったな、と毎年思います。年々その速さが加速しているようにも思います。
私たちが過ごした一年、その歩みの中で、失敗や挫折を感じる出来事はあったでしょうか。
うっかり、不注意で、という失敗もあるかもしれません。十分に準備をして、全力で挑戦をして、それでも失敗してしまった、苦い挫折を味わった、という人もいるかもしれません。
挫折と成功について考える時、元NBA、プロのバスケットボール選手であるマイケル・ジョーダン選手を思い出します。
彼は史上最高のバスケットボールプレーヤー、バスケの神様とまで言われるほどの選手でした。
彼は子どもの頃から兄にバスケの手ほどきを受けても全然兄に勝てず、高校生の時にはチームで一度もレギュラーに入れなかった、という話は有名です。
その彼が、最終的に史上最高のバスケ選手として評された時、このように語ったそうです。
「私はこれまで9000回以上シュートを外しました。300試合に敗れ、決勝シュートを任されて26回も外しています。人生で何度も何度も失敗したからこそ、今の成功があるんです」
私たちが挫折をするとき、ここぞという時に失敗してしまったとき、きっと目の前が真っ暗になって、もうだめだ、この道はあきらめよう、と思うことがあるかもしれません。
しかし歴史に名を残している人々の多くは、失敗の大事さについて良く語っています。
なぜなら失敗とは、挑戦の証であり、大きな成功を手にするためには避けられないことだからです。
イエスは十字架にかかる前、弟子たち全員に向けて言われました。
「あなたがたは皆わたしにつまずく」と。
その言葉を聞いた一番弟子であるペトロは「みんながつまづいても、わたしはつまづきません」と断言します。
しかし結果として、ペトロを始めとして、弟子たちは皆イエスを裏切り、十字架から逃げ去っていきました。信仰の挫折を味わいました。
でも、そうやってつまづいたからこそ、復活されたイエス・キリストに再会し、そこで与えられた神様の赦しがペトロたちの人生を大きく変えていきました。
自分が赦されることの喜びを知り、自分も誰かを赦すことを教えられながら、弟子ペトロはカトリック教会の初代教皇を務めることになったのです。
裏切ってはいけない人を裏切ってしまったからこそ、そしてそれを赦されたからこそ、彼は自分の弱さに気付かされ、また相手の弱さに寄り添える人として、歩むことができるようになったのです。
誰もが人生の中で、たくさんの失敗を、大きな挫折を経験するかもしれません。
しかし失敗や挫折をすることを恐れないようにしたいと思います。
Windowsの生みの親、Microsoftの社長であるビル・ゲイツもこのように言っています。
「成功を祝うのもいいですが、もっと大切なのは失敗から学ぶことです」と。
「あなたがたは皆わたしにつまずく」と弟子たちに言われた時のイエスのまなざしとは、きっとそのようなものであったに違いありません。
成功をすることよりも、失敗をすることのほうが、たくさんのことを学べます。
そしてそのように失敗するあなたが、より良い道があることに気付き、昨日よりも明日、もっと成長していくことを、神様もまた願っておられるのです。