順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ
人が未来について無知であるようにと
神はこの両者を併せ造られた、と。
──コヘレトの言葉7:14
+++
近所のお寺の掲示板に、このような言葉が書いてありました。
「吹く風を 受けて散る花 開く花」
自分はどっちだろうかな、と考えさせられる言葉だと思いました。
私たちの人生は、何もかも調子よく進むときもあるし、全くの逆境に悩まされて、何ひとつうまくいかないように感じる時もあると思います。
思い出してみてください。あなたなら、どっちのことをすぐに思い出すことができるでしょうか。
たぶん、うまくいっていた時よりも、苦労した時、悩んだり迷ったり、うまくいかなかったときの方が、強く記憶に残っているのではないでしょうか。
私たちの心というのは、ついつい悪いことばかりに目を向けてしまう性質を持っています。
自分に関係する出来事だけではなくて、関わる誰かに対しても、悪い部分ばかりが気になってしまうこともあるでしょう。
一度考え始めるとどんどん深みにはまって抜け出せなくなってしまう、という人もいるかもしれませんね。
でも、聖書は言うのです。「順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ/人が未来について無知であるようにと/神はこの両者を併せ造られた、と。」
私たちの人生には苦しいことやうまくいかないことだってあります。
私たちが自分の歩む未来を全部知っていたら、きっと最初からそんな逆境は全部避けて通りたいと思ってしまうことでしょう。
でも、そのような未来を知らないからこそ、つらい逆境の時を乗り越えることによって、長い目で見れば「あの時苦しいことがあったから、今の自分がいるんだ」と、振り返ることができるのです。それは、確実にあなたが成長をするために、必要な逆境なのです。
逆境を経験し、それを乗り越えた人は、上手くいっている順境も、当たり前だと思わず、感謝の心で受け止めることもできるようになります。
そうやって私たちは、どんどん鍛えられて、成長していくのです。
「吹く風を 受けて散る花 開く花」
あなたはどちらになりたいでしょうか。
逆境に吹かれて、あえなく散ってしまう花でしょうか。
それともむしろ、それを糧として、力強く美しく咲く花のほうでしょうか。
逆境さえも自分に必要な経験だと思って、いつでも楽しむ心、感謝をもって受け止める心で、毎日を過ごしたいものだなと思います。