毎日、善いことを


たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。

──ガラテヤの信徒への手紙 6:9

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うさぎとかめ、という童話があります。
かめの歩みがのろまであることを笑う うさぎは、かめと競争をすることになりました。
かめの歩みがあんまり遅いので、うさぎは油断して居眠りをしても良いだろうと考えるのですが、その間も亀は一歩一歩進み続け、ウサギが寝ている間に先にゴールする、という話です。
この話の亀の方に注目すると、たとえ小さなことでも一歩一歩積み重ねるように、継続することの大切さを思わされます。

私たちにとって、意識して何かを続けること、継続することは大変なことのように思えるかもしれません。
しかし、継続することの難しさに心が折れそうになる時、以前見た、河合塾が受験生に向けて出したチラシのコピーを思い出します。
「習慣になった努力は、実力です」──こういう言葉です。

何事においても、私たちが本当の力、実力を得るにはどうするか。
それは、努力することを習慣にする、継続し続けることが当たり前になるまで続ける、ということによってでしか、身につかないものなのだと言うのです。
習慣化するのが苦手な私にとっては、思い起こす度に励まされる言葉です。

続けるということは人生において大切なことです。
この世の偉業と呼ばれるものの全てが、初めは「小さな一歩」から始まったのです。
たった一歩では少ししか進めなくても、歩き続けること、継続していくことで、やり始めた頃には想像もつかなかった場所へと自分を連れて行ってくれるものです。

継続することを一番実感できる一つの方法は、日記をつけるということです。
肩肘をはらず、毎日一行でも良いのです。
そして、できれば今日良かった、と思うことを書いてみましょう。

友人と面白い話をしてお腹が痛くなるくらい笑った、とか。
面白い本に出会って、この文章に感動した、とか。
ご飯が美味しかった、風が涼しくて気持ちよかった、とか。
そういう一言を、書き留めていくだけでも、立派な日記になるのです。

そうやって、続ける訓練をすることはきっと皆さんにとって役に立つと思います。
そしてできるなら、毎日良かったことを見つけるだけではなく、良いことをしてみましょう。
困っている誰かを助けましょう。誰かと一緒に楽しい時間を共有しましょう。
いつでも笑顔でいる、ということも、誰かの心をホッと落ち着かせる、とっても良いことの一つです。

そうやって、毎日いいことを続けていれば、だんだんとあなたの周りも、いいことで溢れるようになるはずです。
そのことを、今日の聖書の言葉も私たちに勧めているのです。
──「たゆまず善を行いましょう。」
この善とは、あなたにとって良いことでもあり、そしてあなたの周りにとっても良いことを指す言葉です。

今日、あなたのために。そしてあなたの周りの人々のために、あなたが始められる善──良いことは、何でしょうか。
その答えが見つかったら、ぜひ今日から毎日始めて、そして続けていってみたいと思います。