Black Cat Carnival(ブラックキャット・カーニバル)の「キリスト教・聖書の話」ルームで募集した質問をまとめていきます。今回は第3回!
第1回と前回・第2回は↓こちら↓から。
ブラキャニ、だいぶん落ち着いてきたんだけど相変わらず質問はちょいちょいきていて嬉しいです。ありがとうございます。
とある方のコメントにもありましたが、コメントがほぼ完全に匿名なのが質問しやすい理由なのかもと思うと、キリスト教についての一問一答とブラキャニのシステムってめちゃくちゃ親和性高いよなと改めて思い返しています。
宗教について表立って聞く、ということの躊躇いを多くの人が感じているのは、きっと宗教というものが、世俗化したもの以外ではこの日本ではずっと排除されるべきものとして扱われてきたからなんだろうな、と思います。
ともあれブラキャニでのキリスト教一問一答その3、以下にまとめました!
興味のある項目から読んでいってくださいね。
目次
- ・牧師の仕事は何が大変だったりいそがしかったりしますか?
- ・私は実話怪談を愛好しています。他人の死を面白がっていると友人に言われることもあります。牧師をしていてなにか不思議な体験などされたことはありますか?
- ・牧師は毎日どのようなことをお祈りしていますか?
- ・女性が牧師や神父 ( 父? ) になることについて、現代のキリスト教ではどのように考えられているのでしょうか?宗派によるとも聞きますが…
- ・神父のことは信徒は神父様って呼ぶことがありますが、牧師さんは牧師様と呼ばれているのでしょうか? あんまり聞かない気がして(環境のせいかも)
- ・牧師や神父とシスターの違いを教えて欲しいです。フィクションでは牧師・神父が上長、シスターは部下のような扱いなのかなと感じているのですが、どちらか一方しか登場しないこともあります。そもそもシスターとはどういう立ち位置の方々なのですか?
- ・みたキリスト教系映画の中で面白かったのはなんですか?
- ・牧師さんの一日ってどんな感じなのか知りたいです。社会人だと出社して〜メールチェックして〜会議や商談ももあって……のような
- ・プロテスタントでは牧師、カトリックでは神父といった違いくらいの認識なのですが、牧師と神父でお仕事の内容も違うのでしょうか?
- ・お給料?はどのようなところからの収入になるのでしょうか?
- ・教会、いつか訪ねてみたいと思ってるんですが凄く静かで人が居るのかわからなかったり十字架あるけど何も看板?なかったりで入っていいのか駄目なのか分からない事が多々あります。見分ける方法とか、情報サイトとかってあるんでしょうか?
- ・教会には海外の方も多く訪れるかと思いますが、そういう人たちと国際交流的な、ライトなコミュケーションがおこることは良くあるでしょうか?日本で英語を話す機会が欲しいなと思って…
- ・聖書の訳された文や、聖書の内容について語る文って独特な言い回しが多い気がする(言われた、あった、なされた、など…)のですが、現代の会話や説明文に近い文体のおすすめとかありますでしょうか?(小学生でもわかる聖書、的な…)
・牧師の仕事は何が大変だったりいそがしかったりしますか?
教会で毎週行われている
様々なプログラムや
日曜日の礼拝の準備などで
毎日色々と忙しいのですが
一番忙しさを感じるのは
信徒の方が急に体調を崩されたり
召天(亡くなること)されたときです。
人のいのちが終わるときは
誰にもわからないので
危篤になるとだいたい牧師が呼ばれて
ご臨終まで付き添います。
午前2時に電話がかかってきて
1時間半車を走らせて病院に向かったり
休暇中に亡くなった方がいるという
知らせを受けて旅行先から
その日のうちに教会に帰ったり
そういう時が特に大変です。
でもいつだって、
愛する人が亡くなった人や
話を聞いてほしい、
どうすればいいかわからないという
不安を抱えておられるその人が
一番大変なのです。
だから牧師は
どんなに忙しくても
いつでも相談を持ち掛けてよさそうな
暇そうな雰囲気でいなさい、と
恩師の牧師からは教わりました。
いつもそうあることは
なかなか難しいことですが
心に留めながら仕事をしています。
・私は実話怪談を愛好しています。他人の死を面白がっていると友人に言われることもあります。牧師をしていてなにか不思議な体験などされたことはありますか?
私自身、怪談のような経験は
したことはないのですが、
先輩の牧師から
「悪魔は本当にいる」という
話は聞いたことがあります。
礼拝中、
ある信徒さんが突然不安定になって
ひきつけを起こして倒れられたので
救急車を呼んだのですが
救急の方は何故か
「気絶しているだけですね」と
意に介さず、仕方なく牧師室で
寝ていただいていました。
礼拝後に牧師がその人と
お話を始めると、
いつもの物腰柔らかい雰囲気が全くなく、
目が血走り、
まるでその人の声ではないような
複数人が一気にしゃべっている
みたいなガサガサの声で
牧師をあしざまに罵った挙句
「神など全部嘘だ、綺麗ごとを言いやがって」
「自分を救えるもんなら救ってみろ」
と暴れ始めたといいます。
心配して駆け込んできたご伴侶も
「あれはいつものあの人じゃない」と
恐れおののき、
牧師は聖書を握りしめて
「神様!」と叫びながらその人を
全力で抱きしめながら
止めようとしていると、
棚にあった十字架が転げ落ち、
その音で我に返ったかのように
その人は元に戻った、
という話です。
その人には特に何か
疾患があったわけでもなく
その後の病院でも何の異常もなく
なぜあんなことが起きたか
わからずじまいなのです。
・牧師は毎日どのようなことをお祈りしていますか?
キリスト教では、
「祈りは神様との対話である」
と言われます。
朝起きた時や夜寝る前、
食前の感謝、あるいは
仕事で何かのプログラムを
始めるときなど、決まった時に
大体同じ定型句の祈りを
するときが多いのですが、
「神との対話」を一番感じるのは、
信徒さんのお悩みなどを聞き、
それについて一緒に祈る時ですね。
イエス・キリストというお方は
人々が求める奇跡や病の癒やしを
求められるままにただ与えた
わけではありませんでした。
ちゃんと言葉を交わして
その心にも寄り添ったお方だったと
聖書は記しています。
だから今の私たちが
話をし、祈るときには、
その時にしか明かされない話を
その人と、牧師と、そしてイエス様が
三人で一緒に分かち合っている、
そしてその場で一緒に
祈ってくれているということを
感じることがあるのです。
対話なので雑談とは違いますが
祈るからといってかしこまらずに
神様に言葉を投げかけていいのだと
思います。
今日はこういうことがあったんだ、
こんなことを思ったんだ、
うれしかった、つらかったんだ、
どうしたらいいのかわからないんだ、
そんな話を、いつでもどこでも
聞いてくれる存在が神様なんだと
そう思いながらいつも祈っています。
・女性が牧師や神父 ( 父? ) になることについて、現代のキリスト教ではどのように考えられているのでしょうか?宗派によるとも聞きますが…
カトリック教会や
プロテスタント教会のいくつかは
女性の牧師(司祭)を認めてはいません。
まさに宗派による、というところです。
なかなか女性の牧師を認めづらいのは
「キリストと12弟子は男性だったから」という
聖書に根拠を求めたり、
中世のスコラ哲学では「女性は本性として
男性に劣り、従属的なもの」とされて
いたから、という歴史的な積み重ねも
あるのかもしれません。
色々と反対の理由は付けることはできますが、
すでに女性牧師が多くいるルター派からすれば、
その理由のどれもが
揺るがない決定的なものではないと思います。
正式な牧師としての働きでなくても、
19世紀には女性が牧師のように聖壇で
礼拝のメッセージを担当する教派も
多くあったそうです。
1950-80年代になると、主要な
プロテスタント教会諸派は女性教職を
認めるようになりました。
カトリックに一番近いプロテスタント教会である
聖公会も、1998年に教会の法改正が
行われて女性司祭が生まれています。
・神父のことは信徒は神父様って呼ぶことがありますが、牧師さんは牧師様と呼ばれているのでしょうか? あんまり聞かない気がして(環境のせいかも)
実は神父という言葉は、
カトリック教会の司祭(役職)の
敬称にあたる言葉なんですね。
なので神父様、というのは
実は二重敬語になるんです。
牧師は役職名でもあり
敬称でもあるので、
単に〇〇牧師、でいいんですけど、
一番よく聞くのは「牧師先生」です。
これもまた実は二重敬語なんですけど
あまりにもよく言われるので
「神父様」と同様、定型句になってる
気がしますね。
・牧師や神父とシスターの違いを教えて欲しいです。フィクションでは牧師・神父が上長、シスターは部下のような扱いなのかなと感じているのですが、どちらか一方しか登場しないこともあります。そもそもシスターとはどういう立ち位置の方々なのですか?
ルーテル教会にはカトリックのような
職制がなく、あんまり詳しくないので
正確ではないかもしれませんが……
カトリック教会では
教会の信徒
↓
修道士(男女/シスター)
↓
助祭(男女/司祭の補佐)
↓
===叙階(按手)====
↓
司祭(=神父/男性のみ)
↓
司教(独身者のみ/大司教や教皇もここ)
の順で、階が上がっていく感じです。
シスターというのは、司祭になる前の
修道士の立場にある女性のことを
指す言葉になるわけですね。
キリスト教を信じた人は、
神の家族として捉えられるということから
「(神の家族としての)姉妹」、=シスター
とお互いを呼び交わしていたのが
女性の修道士を指す名称として
定着した流れがあると言います。
立場的には上司と部下、という
発言権の有無にも関わるような
キチッとした上下関係ではなく、
本質的には、敬う/ 敬われる、という関係性が
近いのかもしれません。
もちろん立場としては平等ではないので
一見そういう風に見えるのかもしれません。
・みたキリスト教系映画の中で面白かったのはなんですか?
前にも上げた
「サン・オブ・ゴッド」
「パッション」
「プリンス・オブ・エジプト」
は何度も見るくらい好きですが、
「復活-RIZEN-」も
キリストの復活を信じない側から
サスペンスのように描こうとした
面白い映画なので是非。
それと、初めてエクソシストの映画を
見たのですが
「ザ・ライト─エクソシストの真実」
も面白かったですね。
・牧師さんの一日ってどんな感じなのか知りたいです。社会人だと出社して〜メールチェックして〜会議や商談ももあって……のような
・プロテスタントでは牧師、カトリックでは神父といった違いくらいの認識なのですが、牧師と神父でお仕事の内容も違うのでしょうか?
どちらも牧師の仕事についての
ご質問なので、まとめてお答えしますね。
牧師の仕事は
毎日のルーティンというより、
「毎週」が単位になることが
多い気がします。
日曜は礼拝があり、
礼拝後にも集会が続くことがあります。
月曜か火曜日がお休みの日で
(様々な対応などで
潰れることもよくあります)
その他の曜日には聖書研究会や祈り会、
信徒の方々のお宅に訪問して
家庭礼拝などをする感じです。
また教会外の仕事として、
幼稚園や老人ホームなどの施設に
訪問して聖書の話をするとか、
日本全国の教会に配られる
月報などのあらゆる原稿の寄稿、
そのほかいつでもかかってくる
牧師への電話応対などが
だいたい神父・牧師どちらも
共通して挙げられる仕事
かもしれません。
というのも、教会ごとに施設の有無や
教会に来られる方の年齢・状況なども
様々ですし、
9時17時でタイムカードを切っている
わけでもないので、夕飯時や夜中に
突然、「私は重い罪を犯しました、
誰にも言えないので聞いていただけますか
聞いていただけないなら死にます」
みたいな電話がかかってきても応対します。
そういう意味では24時間365日のお仕事で
ほとんどがイレギュラーな仕事が
舞い込み続ける職場、みたいな感覚です。
でも、生きる苦しさを抱え続ける人に、
9時17時なんて関係ないんですよね。
今日誰かに聞いてもらわないと、
命を捨ててしまうかもしれない人がいる。
そこに手を差し伸べることで
救える命があるのなら、
出来る限り手を伸ばしたいと思うのです。
もちろん目の前の予定もたくさんあるので
対応できないタイミングに
お電話をしてきた方には
「〇時ならお時間を取れます」と
折り返していただくこともありますが、
だいたい電話を始めると1〜2時間は
お話を聞くことになるので、
しっかりと受け止めるためにも
そのようにしている感じですね。
・お給料?はどのようなところからの収入になるのでしょうか?
教派によって違いはあると思いますが
プロテスタント教会では
基本的には教会で集めた献金によって
牧師は支えられています。
給与体系は教派によって様々で、
牧師が働いている教会だけで
支える形をとっている教派が
多いと思います。
ルーテル教会では
「全国の教会から教会の規模に
合わせた献金を一度集め、
小さい教会には多く、
大きい教会には少なく再分配する」
という形を取っていて、
大きく余裕のある教会が、
牧師を呼べないほど小さな教会を
支えるという形を採用しています。
こうすることで、数名しか会員がいなくて
その教会だけでは牧師の給与を払うことが
不可能な小さな教会でも、牧師を派遣する
ことが可能になるのです。
ただ、今では支える側の大きな教会の
力がかなり落ちてきていて、
大きな教会さえ自分のところにいる
牧師を支えきれなくなりつつあります。
教会員の高齢化などもその原因ですが、
何より教会の元気が失われているように
感じています。
教会に来て献金をしてほしいと
呼びかけるつもりはありませんが
(献金は文字通り強制ではないですし)
ぜひどなたでも
気軽に教会に足を踏み入れて
ほしいなと思っています。
新しい人が教会に来てくれるだけで
実は教会の皆さんはすごくすごく喜んで
元気になるからです。
・教会、いつか訪ねてみたいと思ってるんですが凄く静かで人が居るのかわからなかったり十字架あるけど何も看板?なかったりで入っていいのか駄目なのか分からない事が多々あります。見分ける方法とか、情報サイトとかってあるんでしょうか?
そうですね、各教派の教会には
その本家のサイトがあって、
そこから地域の各教会の場所と
サイトへのリンクが一覧で
見れると思います。
たとえば……
日本福音ルーテル教会
https://jelc.or.jp/all_churchs/
日本ルーテル教団
http://www.jlc.or.jp/area/
カトリック教会
https://www.cbcj.catholic.jp/japan/diocese/
日本キリスト教団
https://uccj.org/diocese
などなど、
ここから近くの教会を探すなら
ここから調べるのがよいかもしれません。
もちろん伝統的な教派はまだ他にも
ありますが、一例として。
また、見分け方としては
掲示板や教会名を書いた看板が
あると思います。
「日本福音ルーテル〇〇教会」や
「カトリック〇〇教会」、
「日本基督教団〇〇教会」など、
「教派名+地域の教会名」で
書いてあると思うので、
それを見て、教派を調べてみても
いいと思います。
だいたいその教会名を調べれば
教会が開いている時間
(礼拝などのプログラムを行っている時間)が
記載されているサイトが
見つかると思うので、
まずは教会のサイトをググって
みるのもテですね。
・教会には海外の方も多く訪れるかと思いますが、そういう人たちと国際交流的な、ライトなコミュケーションがおこることは良くあるでしょうか?日本で英語を話す機会が欲しいなと思って…
そうですね、教会による、という感じです。
英語を話される方が来ることもありますが、
田舎の教会だとあまりなく
(そもそも在住されている方が少なかったり)
都心では多いという差があると思います。
キリスト教に関わることに興味がおありで
英語を話す機会が欲しい、が目的なら、
英語話者のための礼拝が行われている
教会を探すのが良いと思います。
普通の礼拝以外にも
「英語礼拝」や「国際礼拝」のような
名前の礼拝を行っている教会を
見つけるのが良いかもしれません。
少なくとも礼拝を執り行ってくれている
人たちは日本語も話せる方が多いと
思うので、探してみてくださいね。
・聖書の訳された文や、聖書の内容について語る文って独特な言い回しが多い気がする(言われた、あった、なされた、など…)のですが、現代の会話や説明文に近い文体のおすすめとかありますでしょうか?(小学生でもわかる聖書、的な…)
そうですね、聖書独特の言葉って
多くて、それでしか伝えられない
ニュアンスもあるのですが、
言葉の意味を捉えるにも一苦労ですよね。
聖書全体を現代の会話文みたいに
翻訳し直したものはないのですが
そのエッセンスを捉えて
説明を加えた解説本なら色々と
良いものがあると思います。
ざっくりと全体の物語を
簡単に掴みたいなら
『決定版 図説 旧約・新約聖書 この一冊で聖書がまるごとわかる!』
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などはどうでしょうか。
あくまで大人向けです。
宗教画とともに、長大な物語がギュッと
要約されています。
かなり端折られていますが
なんとなく「そういう話があるのね」と
雰囲気を掴むには良いと思います。
また、聖書全体はフォロー出来ませんが
エッセンスを抜き出して解説している
ものに、
『こども聖書』
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とかはすごくわかりやすいかもしれません。
ふりがなが振ってあるので、
自分で本を読めるようになったお子さんにも
お渡しできるでしょうし、
子どもに理解しやすいということは、
大人が読んでも良いということです。
ご参考になれば!
+++
今回もたくさんの質問、ありがとうございました!
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