一枚のタペストリーを織るように


主なる神は言われた。「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。

──創世記 2:18

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あるフランスの哲学者はこのように言いました。
「私たちは毎日毎日、一息一息生きています。それは全人類が大きな大きな布を、タペストリーのように一緒に織っているようなものです。自分がどの部分を織っているいるかはわからないけれども、毎日生きることで、織っているのです」。

私たちは時に、自分一人の人生、自分さえよければいい、と考えてしまうことがあります。
しかし、実際には私たちは一人では決して生きてはいけません。
物を食べるのも、帰る家があるのも、何かを学ぶことも、他の誰かの働きがあって初めて得られるものです。
私たちは気づかない間に、誰かに助けられています。
そしてまた私たちも、そこに生きているだけで、誰かの役に立ち、励まし、支えているかもしれません。

天地創造の物語の中で、神様が私たち人間を造られた時、人はひとりでした。
でも神様は言うのです。「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」
聖書は私たちを、互いに助け合う者として造られた、と語っているのです。

助け合うということは、人間関係を大事にする、ということだけではありません。
自分の生活を成り立たせている一つ一つのものの向こう側に、いったいどれだけの人の働きがあるのかということに心を寄せ、感謝をすること。
また自分の働きが、いったい誰のための働きなのかを考えて担っていくこと。
一日一日を、一緒に綺麗な柄を編むようにして、丁寧に過ごしていく、ということもまた、大事なことなのです。
私たちが世界のどこにいたとしても変わりません。
自分勝手にならず、誰かのことを心に留めて過ごしていくとき、きっとそれは感謝と恵みを交わしあう一日になっていくはずです。

私たちは毎日を、流されるままにぼんやりと過ごしてはいないでしょうか。
自分のために、また周りの人のために、今日何をすることが一番良いことなのでしょうか。
今日と言う一日を丁寧に織っていくための計画を考えながら、祈りながら、一日一日を過ごしていきましょう。