Paliaの話をしたい。
先月にリリースされたばかりの基本無料MMOスローライフゲーム「Palia」が予想以上に面白い。
Paliaはついつい「パリア」と読んでしまいがちだが、公式では「ペイリア」が正式な発音らしい。今のところその発音は浸透していないっぽいし、日本人にとってaの発音はエイではなくアになるのは仕方ないところもある。我々英語よりもローマ字の方が使うもんね、パソコンのキーボードとかでね…
ともかくスローライフMMOということでどんなもんかな、とリリースされてダウンロードしたものの、ひと月くらいそのままにしていた。
というのも、以前スローライフゲームに挫折した過去があるからであ る。
「Stardew Valley」というピクセルスローライフゲ ームの名作がある。緻密で温かいドットグラフィックで描かれ、ブラック企業を飛び出してある田舎町に移住してきた主人公は、木を切ったり炭坑に潜ったり野菜を育てたり住民と仲良くなったりと、心ゆくまでのんびりスローライフを楽しめるというのがウリのゲームである。かなりやり込める要素があり、登場するキャラクターもたくさんいて沼である……と聞く。
しかし注意しなければならないのは、「このゲームのプレイ自体は全くスローではない」ということである。
ゲーム内の1日が終わるまで15分。その間、行き当たりばったりで畑に水をやったり木を切りに行ったり街まで出かけていって住民と仲良くなったり買い物をしたりしていると、だいたい「エッもう夜?!まだこれもあれもしたかったのに……」という毎日になりかねない。
何かをするのに体力ゲージを消費するので、計画的に動かないと結局コスパの悪い1日を過ごすことになる。おや?おかしいな……スローライフを求めていたのに……コスパ……?という現実に引き戻される気持ちがここでうっすらと湧いてくる。
夜になると明日動くための体力ゲージを回復するために家で睡眠を取らなければならない(しかも体力が底をつくと走れなくなって移動に時間がかかり、ますます家にたどり着くのに時間がかかる)。そんなリアルさはいらんのよ。
計画性という文字は私の辞書にはないので、最初は熱中してやるのだが、だんだんとゲーム内の日が巡るたびに「今日はコレをしてアレをして……ああ……なんか忙しいゲームだな……」と疲れてきて、ついにはスローライフと言ったではないか!コレのどこがスローライフだ!と投げ出して(物理)しまったのである。
そんなわけでPaliaも、「基本無料だし……また合わなかったらすぐやめればいいし……」と始めてみたのだが、このPalia、何が最も革命的だったかと言うと、「体力ゲージ」というものが存在しないのである。
夜だろうが昼だろうが、一切休むことなく延々と木を切り倒し、石を粉々にし、弓で動物を狩り、釣り竿で魚を(たまにガラクタも)釣り、煙玉で虫を気絶させて捕まえる(???)ことができるのである。
しかも、ゲーム内の1日はリアルでの1時間に設定されている。これがまたよい。なんとなく「お、そろそろ1日が終わるな」と見つめるくらいの余裕を持って過ごせるスパンである。
我々が(クソデカ主語)求めていたスローライフとはまさにこれではないか。「これをしたいな」と決めたことを時間の制限なく、目的のためにひたすら没頭できる──我々目の前にある現実、ただでさえ忙しい仕事が次から次に押し付けられる日々、方方に気を配り、コスパタイパと叫ばれるこのくそったれな現実から、我々が一目散に逃避する場所としての真のスローライフとは、まさにこれではないか。
Switchでプレイ出来るところも手軽でよい。スローライフに飽きたら謎解きと探索のようなクエストも用意されている。至れり尽くせりである。セカンドライフを謳歌できるスローライフMMOとして激推したい。Paliaはいいぞ。
ただまだ正式リリースですらない(バージョンも1.0にすらなってない)ので、バグがめちゃめちゃあるのは御愛嬌である。
そんな話をしたら「FF14のギャザラーみたいなもんだね」と言われた。それはそう。でもギャザラーはスローライフではなくてあくまでFF14なんだよなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(?)
何もかも考えずにとにかくスローライフを没頭体験したい、そんなあなたにPaliaをオススメしたい。Steam版も開発中らしいけどSwitch持ってたら是非。