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祈ることから始めよう

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4月から新生活が始まった。今まで朝はのんびり起きていたのだが、その時間には仕事場に行ってタイムカードを押し、その日の仕事に取り掛かるようになったので、今までよりも2時間くらい早く起きている。

早起きするのはつらいけれど、起きてしまえばそうでもない。
むしろ早起きをするようになって、夜寝る時間もかなり健康的になった。
仕事は以前の3倍くらい忙しくなった(体感)ので、平日は全く余暇を取れないのが辛いところ。週末はちゃんと休めるといいなと思いながら平日仕事をしている。

牧師という仕事はこういう「勤務時間が8時-17時で」みたいな決まりもないし、なんなら教会の信徒さんが危篤や召天ともなれば、休暇だろうと夜中だろうと看取りや葬儀に取り掛からなければならない。
ただ、その分時間を自由に使えるし、ほとんど一人親方みたいな感じなので、かなり仕事の進捗の縛りもゆるかったのがよかった。

学校の職員として他の人と一緒に働く、ということは、常に色んな人との報連相が必要になってくるし、前提として整えられた共通のルールがある。
企業や会社などに勤めている人にとっては当たり前のことなのかもしれないが、かなり気を遣うし、その共通のルールに自分を適応させるまではかなり時間がかかりそうだ。

でも、気楽さというか個人の自由度が減った分、毎日一緒に働いている人がいて、困った時には相談したり、それぞれの働きが支え合って「教育」という大きな働きに関わることが出来ているのは、なんだか不思議な気持ちがする。一人では絶対にできないことをするために、でもそこで自分にしか出来ないことを任せられる。

仕事を始める朝イチの時間、今年からは「LOSUNGEN(ローズンゲン)」という聖句日課を使うことにしている。
これはドイツの「ヘルンフート兄弟団」というキリスト教プロテスタントの一派が出しているものだ。
15世紀、ルターの宗教改革よりも前の時代に、ボヘミヤ東部でカトリック教会に批判し宗教改革を起こそうとした人々がいた。
そのグループはカトリック教会と和解して「ボヘミヤ国民教会」を作ることになったが、そこで同調しない人々が「兄弟団」を作り、使徒言行録に記されているような質素さを追い求めたキリスト者の在り方を選んだ。その流れをくんでいるのが、この「ヘルンフート兄弟団」らしい。

このローズンゲンの聖句はなんと、くじを引いてその日の聖句が決められているらしく(旧約からだけだが)、意外な言葉に出会うことが多い。
「こんな言葉が聖書にはあったのか」という発見にもなるし、不思議とその時の気持ちにピッタリと合う言葉が選ばれていることもある。
使徒言行録にはイスカリオテのユダの代わりに12番目の弟子を選ぶ際にもくじを引いて決めていたが、「運」や「偶然」はキリスト教では「神様の選び・導き」に置き換えられることも多い。
そのようなわけで、朝のはじめに短い聖書の箇所を読んで、それを味わいながら祈ることで、仕事へと向かっていく心を整える準備に代えている。

たった十分くらいの時間だけれど、これまでの数倍にも膨れ上がって忙しい仕事に立ち向かう備えとしては、結構役に立っている気がする。
これからも続けていこうかな。

ちなみに2024年度のローズンゲンの購入はこちらから。