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道【牧師エッセイ】


私の好きな曲の一つに、宇多田ヒカルの「道」という曲があります。
このような歌詞の曲です。

「どんなことをして誰といても
 この身はあなたと共にある
 一人で歩まねばならぬ道でも
 あなたの声が聞こえる
 私の心の中にあなたがいる
 いつ如何なる時も
 どこへ続くかまだ分からぬ道でも
 きっとそこにあなたがいる
 It’s a lonely road (孤独な道だけど)
 But I’m not alone (わたしは独りじゃない)」

宇多田ヒカル自身はこの「あなた」のことを母・藤圭子のことだ、と説明しています。
藤圭子が逝去してから三年後に発表されたこの曲は、「Fantôme(フランス語で「幻・気配」の意)」というアルバムに収録され、自身にとって「受け入れ、受け入れられる」アルバムになったと彼女は語っています。
それほど彼女にとって母という存在は、死してなお共にいて歩んでくれていることを感じられる存在であったのでしょう。
そして多くの人にとっても様々な相手がこの「あなた」に重ねられて聞かれたからこそ、たくさんの人の背中を押す曲として知られています。

キリスト教を信じる私たちがこの歌詞を聞くとき、「あなた」が「イエス様」として聞こえてくるようにも思うのです。
「わたしは道であり、真理であり、命である。(ヨハネ14:6)」とキリストは言われました。
「どこへ続くかまだ分からぬ道」を、私たちは踏み出していかねばなりません。
しかしその道はキリストが私たちと共にあって、必ず指し示してくださるのです。
このようなキリストが共におられることを心に刻みつつ、今年も歩んでまいりましょう。


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